電気を使えない地域に住む人々
日本では、スイッチを押したりコンセントに差し込んだりするだけで自由に電気を使えますが、世界に目を向けると日々の生活の中で電気を使えない人々が多く存在します。その数は地球上で10億人以上と言われており、世界の7~8人に1人に該当します。しかし、現実を悲観せずに見てみれば、その10億人の人々は最初に使う電気が自然エネルギーで、しかも巨大な送電網が敷かれていない地域であるがためにオフグリッド電源の仕組みを自然と導入できる可能性があるのです。3・11の震災を機にエネルギーのことを改めて考えたのと同じように、視野を広げて世界のエネルギーのことを考えてみるのもいいのではないでしょうか。
非電化地域で電気を作る
同じく藤野地域を拠点にしている団体で、アジア・アフリカなど途上国にICT教育機会を創るClass for EveryoneというNPO法人があります。途上国でICT教育インフラを構築する際に、どうしても課題となるのが安定した電気供給がないという点であり、これをソーラーパネルを活用したオフグリッド電源で行えないかという相談を受けたのが2015年に遡ります。話し合いを重ね、試行錯誤を繰り返しながら2017年より本格的にアフリカの非電化地域に電気を作り、そこにICT教育環境を構築するプロジェクトがスタートしました。そして、その時に使うのが藤野電力がワークショップを通じて広めてきたミニ太陽光発電システムのメソッドになります。
電気の作り方を学ぶ教科書
アフリカンの非電化地域に電気の作り方を教えるプロジェクトを始めるにあたって、まずは電気の作り方を教える教科書作成を協働で行いました。電気を水で例えて、電流や電圧といったものを理解し、チャージコントローラーを中心にソーラーパネル、バッテリー、インバーターの3つを繋げる仕組みをイラストで伝える構成にしています。日本語でベースを作り、それを英語やスワヒリ語に翻訳して活用できるようシンプルな作りになっています。
2017年から、アフリカの地方にある10校を対象にワークショップを行い、子ども達や先生に電気の作り方を教え、実際にオフグリッド電源を導入しています。