住宅への施工

ワークショップで作った発電システムは簡易的で持ち運びも可能ですが、日常的に活用するには工夫が必要です。DIYが得意な方は問題ないですが、そうでない方が多いのが現状、タンスの肥やしにならないための提案です。藤野電力では2012年1月より、小さな独立型自家発電設備を住宅に施工する活動を行っています。当初は藤野電力の建築家仲間が設計する新築住宅が主でしたが、最近は既存の住宅への施工や事務所への施工、リフォームに合わせた施工など依頼が多様化しており、藤野地域以外のご依頼も受けています。

 

部分オフグリッド

どの案件にも共通しているのは「部分的にオフグリッド」という考え方。電力会社から買う電気と自宅で自家発電する電気、ふたつの種類の電気を楽しくデザインして上手に組み合わせる。もし停電になった時、家族みんなが集まるリビングの電気だけはオフグリッド、お父さんの書斎だけオフグリッドなどなど、施主さんごとに多様なアイデアが生まれます。

安定して使える電力会社の電気と、天候やバッテリー残量など気にすることが増えるけど、停電時には頼もしい小さな独立型発電機の生み出す電気。さて、みなさんならどのように活用しますか?

 

実際の施工について

壁に付いたスイッチを押せば照明がつき、壁に付いたコンセントにさせば家電品が動く、普段の生活で普通に使える
設置、日常生活の普段使いこそが藤野電力のお薦めしたいところです。

20wの非常用から1,500w以上の大規模オフグリットまで、発電規模は暮らしのスタイルに合わせて選ぶことができます。
ワークショップで学んだ技術がそのまま活用でき、機材が大きくなるだけ、自分で作った電気を自宅に施工する究極のDIY、そのお手伝いをさせていただきます。(電気工事は資格が必要ですのでこちらで担当いたします)

新築の場合は図面の段階から加わります、電力会社の配線とは別に配線しますので、施主、電気工事店、設計士との連携が大事です。リノベーション、リフォーム、増改築などの場合は施主様と相談しながら進めていきます、DIYが未経験の方でも一緒に作業をしますので安心してください。


※写真提供: 国産材工房稲葉屋

 

施工のコース

小規模型

「増築の際の部屋の照明をオフグリッドにしたい」、「暗すぎるリビングを改善して、リビング照明のみオフグリットにしたい」、「昔の家はスイッチがないので不便」などの要望にお応えし、小規模な電源を施工するプランになります。費用は30万円~で、増築の場合は屋内外の配線も行います。※原則、関東近県のみ対応しております。

・200Wソーラーパネル
・72Ahバッテリー
・350Wインバーター(正弦波 COTEK)
・12V照明(LED)×3など

 

中規模型

「新築で照明は概ねオフグリットにしたい」、「オフグリットコンセントを各部屋に1つ程度置きたい」、「日常生活で一番使う部分をオフグリット化したい」といった要望には、無理のない中規模型システムを70万円~で施工します。新築の場合、屋内の配線は別途電気工事店が行います。

・400Wソーラーパネル
・300Ahバッテリー
・1,500Wインバーター(正弦波 COTEK)
・12V照明(LED)×4, 100Vコンセント×3など

 

大規模型

「新築で全照明、全コンセントを基本オフグリットにしたい」、「非常用としての照明やコンセントを一部に設置し、エアコンや24 時間換気などオフグリットでは負担が大きな場所以外を完全オフグリットにしたい」といった要望には、完全オフグリッドの大規模型システムを100万円~で施工します。新築の場合、屋内の配線は別途電気工事店が行います。

・1,600Wソーラーパネル(12Vと24V併用)
・300Ahバッテリー×2
・1,500Wインバーター(24V 正弦波 COTEK)
・12V照明(LED)×4, 100Vコンセント×8、12Vエジソン×15など

 

施工担当者(鈴木俊太郎)の紹介

クライミングやカヤックをはじめアウトドアスポーツ全般に打ち込んだ20代、キャンプのような毎日が送りたいと山間に土地を求める。子供の頃から憧れていた自給自足的生活を堪能すべく、自宅を設計し大工と一緒に建てたことがDIYの事始め!

プログラマから福祉職に転向するも24時間勤務のストレスから体調を崩し整体師に、自宅をDIYリノベーションし整体院を開業、家屋のメンテナンスも自分で行ってきたことで建築全般の知識や経験が増え、物置作りや水道工事、駐車場作りまで依頼がある。
薪ストーブにも精通し、奥様は輸入代理店ファイヤーサイド株式会社で”すずきみちよの薪ストーブクッキング”を13年連載、そのノウハウから施工やメンテナンスまで手がける、昨今は薪作りの経験から木に登って伐採する特殊伐採まで依頼が入るほどに。

田舎暮らしを始めた頃に乗っていた古いワーゲンキャンパーのバッテリー上がり対策で導入したソーラーパネルがオフグリットのきっかけ。バッテリーにためて電気を使うことに気づき野外イベントなどで披露、3・11の震災時の大停電で”我が家だけ電気が灯っていた”事が
話題となり、ソーラー発電の勉強会や組立ワークショップの依頼が入るように、のちに藤野電力立ち上げメンバーとして現在に至る。

ワークショップや住宅への施工など建築経験を生かし技術面を担当、電気知識ゼロから施工のために第2種電気工事士の資格を取得、オフグリットの普及に努めている。


※写真提供: 国産材工房稲葉屋