自己消費電力の自立

日本の里山、藤野。山深く自然と共に生活してきたこの地域のあちこちに、電力会社の送電線網とつながれていない独立型の発電所を設置しようというこの活動は、2011年3月の東日本大震災を機に、エネルギーの分野においても自分達の使う電力は自分たちで賄いたいという想い具現化するために生まれました。廃校を利用した市民活動拠点の電源を100%オフグリッドにするプロジェクトや、地域のお祭りやイベントで使うためにオフグリッド電源を貸し出すプロジェクトなどいくつものアクションが生まれ、少しずつですが”自分達で電気をつくってつかう”という意識が里山地域に浸透してきました。

 

緊急時の避難拠点としての活用

送電網と接続されない独立型発電設備は電力会社による停電の影響を受けないため、先の震災のような緊急時には周辺地域の避難拠点として活用することができます。実際、オフグリッド電源を作るプロジェクトや施工案件数の分だけ独立型の発電場所は着実に増えており、仮に長期の停電が起こったとしても電気を使える環境が至る所にあります。そして、それを扱える人も同じだけ存在するのです。インフラの断絶時にも、コミュニティといて生き抜く強さと連帯感を持っていることが藤野地域の大きな特徴と言えるでしょう。

 

平常時の充電拠点としての活用

自然エネルギーでつくった電気を誰でも自由に使える環境を作って広く自由に活用されることを目指し、藤野の6ヶ所に自然エネルギー充電ステーションを設置しました。スマートフォン、電動バイク、電動自転車、圧縮空気車などの充電拠点として、無料で自由に使えるのが特徴です。廃校になった旧牧郷小学校をリノベーションし、2017年まで藤野電力の拠点にもしていた牧郷ラボ、コンテナを再利用したギャラリーが広がるアート・ヴィレッジ、障害者支援事業を行ってる団体が運営するコミュニティカフェなど、多種多様な場所に設置されています。定期的なメンテナンスが課題となっていますが、これからも自然エネルギーを広めていきたいと思います。